SSブログ

持続可能性のための省エネルギー ~いつもよりちょっと深い話を~ [持続可能性]

このブログでは省エネをテーマにしています。

もうちょっと深く言えば、持続可能性を追求することがメインテーマなのですが、持続可能性のために大切なこと、という意味で省エネをテーマにしています。

産業革命以来の約250年間、人類は様々なエネルギー資源を開発し、それを豊富に使用することで快適で利便性の高い生活、社会を実現してきました。快適な社会を実現することは望ましいことですが、そのために使われるエネルギーは多くが地下資源の採掘により得られます。地下資源は物質であり、物質からエネルギーを取り出すと、その物質は別のものに変わります。化石燃料を燃やして二酸化炭素が生じたり、原発の運転で放射性物質が生まれたりするのは、物質からエネルギーを取り出したことの必然的な帰結なのです。

すると何が起こるでしょうか?
ちょっと考えれば誰でもわかるけど、普段はみんなが忘れている事実。
それはエネルギー資源として使える物質がやがてなくなってしまうということと、一方で不要な廃棄物がどんどん増えてしまうということです。

地球温暖化とは、化石燃料からエネルギーを取り出した時に生じる廃棄物(二酸化炭素)の量が多すぎるために起きる問題です。原発で一番厄介なのは、核分裂によってエネルギーを取り出した時に生じる廃棄物(放射性廃棄物)が高い毒性を持つために、これを長期間隔離しなければならないという問題です。いずれも廃棄物の問題であり、その一方で化石燃料も核燃料もそう遠くない将来に資源が枯渇するという問題を抱えています。

これらの問題はいずれも人類社会の持続可能性にとって障害となるものですが、問題の本質は地下資源からエネルギーを得ているというところにあります。したがって、本質的な解決のためには、エネルギーを地下資源(ストック)から得るやり方から、別のやり方に変えなければなりません。別のやり方とは、太陽を源として私たちのまわりを流れているフローとしてのエネルギーを利用するというやり方です。これは一般に再生可能エネルギーと言われているもので、太陽光、太陽熱、風力、水力、バイオマスなどが該当します。

ところが、原発推進論を張る人々が言うように、これらの再生可能エネルギーをかき集めても、今日のエネルギー消費を賄うのはなかなか困難です。その理由はこれらの再生可能エネルギーの多くがとても「薄い」ためで、これを集めて電気や燃料のような「濃い」エネルギーにするには膨大な量を集めないといけないのです。

このことをして「再生可能エネルギーは実力がない」というような言い方をする人がいますが、これは論の立て方が間違っていると私は思います。正しくは「私たちは持続可能性から導かれる実力以上にエネルギーを消費している」と言うべきなのです。したがって、再生可能エネルギーを推進するとともに、エネルギーの消費量をもっと少なくすることが肝心です。エネルギーの消費量を減らすには昔の生活に戻ればいいのですが、これはなかなか困難でしょう。

そこで、省エネが必要になる訳です。省エネで大切なのはエネルギーの利用効率を上げていくことで、そうすると同じ生活水準を保ちながらも、エネルギー消費量を減らすことが可能になります。もちろん、我慢することも重要で、必要以上に贅沢になってしまったものはあきらめることも必要でしょう。

このような考え方に疑問を感じる人もいるでしょうし、ある程度納得しても「そうは言っても」と思う人もいるでしょう。しかし、現在の人々の快適な生活のために、後世の人々が大きな被害をこうむるのは、世代間倫理としておかしいと私は思います。なかなか想像するのが困難なこともあって正面から問題とされることは少ないのですが、多くの人々に想像力の翼を広げてほしいと考えています。

「未来の子供たちのために、持続可能な社会を実現しよう!」
共感してくれる人が増えることを願っています。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。